論文レビュー(駄文)「除雪区間の最適化」
/
2021/12/21 論文レビュー(駄文)を記述します.
- 最適除雪道路選択モデルに関する研究
# 最適除雪道路選択モデルに関する研究
有村幹治,上西和弘,杉本博之,田村 亨:最適除雪道路選択モデルに関する研究, 土木計画学研究・論文集No.16, 1999年9月
# 背景
- 雪の除排作業には巨額の予算を費やしているという問題があり,年々増加する傾向にある.
- 1996年,札幌市では記録的な降雪により、160億円の除雪費用を計上された.
- ただし,冬季間の路面悪化では,夏期の平均と比べて交通量は77%、 旅行速度は50%にまで落ち込むこともある.
- 限られた予算で最適な除雪作業体制を構築する必要がある.
- 本研究は、大規模道路網(札幌都市圏道路網)を対象とし,走行費用便益によって評価される最適な除雪実施路線網を求める
- また,配分計算を含む大規模ネットワーク最適化における問題点と課題を整理する
# 既存研究と本研究の位置付け
- ネットワークの考慮(除 雪道路の選択)と予算制約の考慮の2点に着目する
- 除雪に関する研究当初は、対象ネットワークは全て除雪することを想定していて,予算制約を考慮していなかった
# 手法
- 道路ネットワークは,41ノード・133リンク・96工事区間を想定
- 等分割配分法による交通量配分
- 準組み合わせ最適化手法の1つ「遺伝的アルゴリズム(GA」を使用
- 道路リンク特性(冬季Q-V式)とリンク別除雪コストを取りこんだGA最適化モデル
- 予算制約として,連続性的に除雪できること・走行時間の変動による費用便益を考慮する
- また,組み合わせ解空間の縮小を考慮して,推定除雪区間を集約させる工夫をする
# 結論
- ネットワーク特性と予算制約を考慮した最適な除雪位置を求めるためのGA最適化モデルを示した
- 実道路網の札幌市都市圏道路網を対象にGA最適化モデルを適用し,予算制約内で走行費用便益が高い除雪道路を導き出した
# 課題点
- 少ない人口サイズにより計算を行っている
- 膨大な計算時間が必要となる
- 対象ネットワークの1回の配分計算に約30分,本研究での計算例でも294.5時間の計算時間を要している
# 論文集
有村幹治,上西和弘,杉本博之,田村 亨:最適除雪道路選択モデルに関する研究, 土木計画学研究・論文集No.16, 1999年9月